キミがいなくなるその日まで

┗白昼夢



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次の日の朝、中村さんが私の血圧を測りに来た。
お母さんが来れない時は花瓶の水も替えてくれたりする。


『マイちゃんの部屋はいつもいい香りね』


花の匂いは狭い病室をいつもいっぱいにする。花に興味はなかったけど病院の匂いをかき消してくれるから好きになっていた。


『お母さんに感謝しないとね』

『………うん』


お母さんはいつもどんな気持ちで花を選んで持ってくるのかな。思えば考えた事なんてなかった。


『どうだったの?昨日の文化祭』


この質問は風間先生にも聞かれたしメールで家族にも聞かれた。


『別に普通』

私の答えはこの一言。だって長い時間いた訳じゃないし感想を言うのは苦手だ。

中村さんは無愛想な私にクスッと笑っていた。


『それ、今日もシン君が置いて行ったの?』

テレビ台の上にはパンダの形をした折り紙。
正直、今までで1番可愛いかも。


『シンって器用だよね』

『ふふ、そうね』


私がシンの話しをすると中村さんは嬉しそうな顔をする。シンは先生や看護師さんとの付き合いが長いからかな。


『…………あのさ、シンの病気って…』


そう中村さんに聞こうと思ったけど途中でやめた。影で色々詮索されるのは私が一番嫌な事だから。


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