キミがいなくなるその日まで

┗繋がり




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今日私は朝からシンの病室に入り浸っている。
しかも穏やかなシンに怒られながら。


『そうじゃないよ、さっきも教えたでしょ?』

『………』


私達は机を挟んで向かい合わせになり、手にはカラフルな折り紙。

正直、後悔していた。

折り紙の折り方を教えてと言ったのは私だけどまさかこんなに怒られるとは……


『もう嫌だ。本見ても全然意味分かんないし』


私は折りかけの折り紙を放棄して本を横目で睨んだ。思えば私って細かいの嫌いだし手作業をするのは苦手だった。


『マイは飽き性だなぁ。だんだん形になっていくものって楽しくない?はい』


シンは私が文句を言ってる間にネズミを作った。
小さくて可愛いけど今は憎らしく見える。


『だってほら、鶴だってせっかく作れたのに立たないしクチバシ曲がってるし。私には向いてないみたい』

私が作った鶴はなんだか太ってて、逆にシンにはどうやって折ったの?って聞かれたけど。


『あーあ、もう止めた!折り紙はやっぱりシンに任せる』


私はそう言ってシンのベッドにうなだれた。

ベッドの横に小さな本棚があって、そこには電車に関する本がたくさん並べてあった。

その一つを手に取ると写真つきの電車がいっぱい載っていて何度もめくった跡がある。


多分シンはずっと病院に居るから電車に乗った事がないのかもしれない。


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