崩壊家族
「さゆり、アメリカへ行ったら結婚しよう」

洋介のプロポーズに
「はい」

私は首を縦に振ってうなずいた。

彼のそばに一生いる。

心の底から、私は誓った。


アメリカへの旅立ちは、1週間後。

私はまた、あの家を訪ねていた。

「またくるなんて…」

今日の理由は、パスポートを取りにきたである。

「どうせならこの前、一緒に持ってくべきだったわ」

あの時アメリカへ行くことがわかってたら、旅行カバンと一緒に取りに行ってたのに。

息を吐いた後、ドアノブに手をかけると、
「――あら…?」

何故だか、ドアは開いていた。
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