崩壊家族
全くいいところなしって感じ。

って言うか、何で生きてるのみたいな。

さっさと死ねばいいのに。

なんて思いながら、あたしはシャツのポケットから携帯電話を取り出した。

「もしもし、ヨシオ?

あたしだけどさ、たった今家出したんだ。

泊めてくんない?」

あたしの彼氏――ヨシオは、
「おいおい、家出とはまたハデなことをしたな。

まあ、いいや。

とりあえず今どこにいる?

迎えに行くから」

この通り、優しい男だ。

ダーツバーを経営しているヨシオは、あたしよりも年上だ。

彼は誰に対しても面倒見のよい兄貴って感じだ。
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