崩壊家族
いきなりドアが破られたと思ったら、拳銃片手に乗り込んできた男たち。

それが警察だとわかったのは、数秒もかからなかった。

「離して!

あたしは彼のためにやったの!

こんな仕事知らない!」

あたしの訴えなんて、彼らは無視をした。

その場にいた全員と共に、あたしは警察署へ連行された。


「だから、知らなかったんです。

麻薬の密売なんて」

「知らないなんて言っても、君がやったことは重罪なんだぞ」

「あたしは彼のために…」

もう何日目になるんだろう?

柳と言う名の若い刑事との、取調室のやりとりは。
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