龍とわたしと裏庭で④【クリスマス編】
「ふうん。暗きゃいいの?」

圭吾さんはわたしの耳の下に唇をつけて言った。


うわっ!


脚から一気に力が抜ける。


ずるい!

どうなるか分かっててやってる。


「あのね、圭吾さんが嫌な訳じゃないの」


「知ってるよ」


「大好きよ」

 
「それも知ってる」


「このままじゃダメ?」


「今はいいよ。志鶴が、僕のものだと自覚しているなら待てる」


わたしはホッと息を吐いた。


「ただここまで来て、結婚するのを考え直したいっていうのは無しだよ?」


「それだけは有り得ないわ」


「ならいい」


やっと圭吾さんの腕から解放された。

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