龍とわたしと裏庭で④【クリスマス編】
本当にそれでいいの?

自分の夢のツリーがあったでしょう?


「志鶴?」

圭吾さんが怪訝そうにわたしの顔を見た。


「あのね……」

「どうした?」


優しく促されて泣きそうになる。

声がつかえて出ない。

バカみたい。子供じゃあるまいし、綺麗なら何だっていいじゃない。

いつもみたいに圭吾さんに選んでもらえばいい。


「何でもない……」


「そんなはずないだろう?」

圭吾さんはわたしの前にひざまずいた。

「言ってごらん?」


「子供っぽいから嫌」

ああ、もう! こう言っている時点で子供よ!


「その子供っぽい所が好きだって言ったら気が楽になる?」


わたしはしゃくり上げるように笑った。


「上手く言えないの」

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