龍とわたしと裏庭で④【クリスマス編】
「君、羽竜の家の子でしょ?」

常盤さんがわたしにきく。

わたしはコクリとうなずいた。

「先日、羽竜圭吾のところでちらっと見かけたよ」


だから何?


「先輩はわたしの龍を見に来たんです。常盤さんはあっちへ行ってて下さいよ」


「分かった、分かった! ねえ君、一つだけ教えてくれない?」


何よ


「羽竜圭吾の婚約者って会った事ある?」


それ、わたしよ


「どうしてそんな事きくんですか?」


「いや、それがね、先日おじゃました時に縁談を持って行ったんだよ」


聞いてないわよ、圭吾さん


「結婚相手は決まったからとあっさり断られたんだ」


そうでしょうね


「ところが誰にきいても詳しい話を教えてくれない。本当にそんな相手がいるのかな~なんてね」


わたしだとは思わないんだ……

まあいいけどね

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