龍とわたしと裏庭で④【クリスマス編】
話が終わって帰る時に、圭吾さんが『送って行くよ』と美月に声をかけた。


「ありがとうございます。でも、友達と帰ります。お二人はこれからデートでしょう? それに、わたし達は普段通りに行動した方がいいんです。怪しまれますからね」


すっかり、スパイ気取りだわ

もう! 笑っちゃダメだって、圭吾さん


「圭吾さん、咳が止まらないならお薬飲んだ方がいいですよ」

美月はそう言って、元気よく手を振ってわたしと圭吾さんを見送った。


「ああ、笑うの我慢しすぎて腹が痛い」

圭吾さんが言った。

「薬飲んだ方がいい?」


わたしも吹き出した。


「やめて、お……おかしいから」


「あの子、前からあんなだっけ?」


「美月はいつもああよ」

わたしは笑いながら答えた。


「せっかく気を使ってもらったんだ。デートしよう」


胸がドキンとした。

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