愛のない世界なんてない

「熱…ないよね?」

咲は裕次の額に手をやる。

「大丈夫?」

「大丈夫だから…っ」
俯く俺は昔からこうだ。

もうすぐ小学校も卒業。
初めて好きになった人を家に連れてきたい。
そう思った。


…その前に。

咲に告白しよう。








「咲ちゃん…ちょっと…いいかな」
俺は理科室に呼んだ。

「なぁに?話って」

「……………………………付き合ってほしいんだけど…」
顔が赤くなる。

「え?どこに?」

「違う!俺お前が好きだから…っ」
もう当たってくだけろ

「…手………痛いよ」

「え…」
よく見れば俺は咲の腕を掴んで至近距離だった。

「顔も…近い…ハズいよ…」

「ごめん…」


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