愛のない世界なんてない

「俺もしなきゃいけないの?」

「当たり前じゃん」

「じ、じゃあ、握手、を求むっっ」
裕次は焦った様子だった。

「…」

不審な目で裕次を見る。

「尋斗からもらえばいいだろっ
俺には咲がいるからっ」

「じゃあ…はいっ」

私は手を差し出した。


「うん」

「ありがとう」

「はいはい」

手を離す。

「ハグはしないの?」

「したいの?」
私はキョトンとした。

「したくないよ…」
裕次は照れ屋だな。

「咲ちゃんとしてね」


「…うん」


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