心の中で。
―――こいつも、本気なんだな。





そう思わせるのに、十分な、高崎を見つめる優しい表情。

いつの間にかその場に溶け込んでいる姿を見て、おおらかな器量の大きさを感じた。

現に今、こいつの隣で笑っている高崎は、とても幸せそうに見える。





2人と別れるとき、




「幸せにな。」




これだけは、伝えたくて。


やっと絞り出した小さな小さな声で、言った。


聞こえてないかもしれねぇけど…いいんだ。


言えて、良かった。





心臓の奥が、いつまでも締め付けられているけど、


俺には、バスケがある。選抜もある。


そう、思い続けた。
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