Melt

始まりの朝



私は走った。



「心臓破りの坂」なんて、バカみたいな名前で呼ばれてる学校の目の前の坂を。



心の中で「遅刻、遅刻」呪文のように唱えて、必死で走る。



足が重いし、朝から汗だくだくだし…



女子としては最悪な一日の始まりだと思う。



メイクは、学校でするとして…汗はスプレーだけで間に合うのか?



なんて、考えていたらやらかした。



「あっっ!」



地面との距離が近づいた。



痛いんだろうなぁ、転んだら。



と、覚悟した時だった。


< 2 / 110 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop