Melt



ブランドの限定の指輪で、縁の両親から借りたお金であらかじめ買っていたらしい。



借りたお金なんて恥ずかしいからと毎日こっそり働いていた。



どんな思いでこの指輪を選んでくれたんだろうと考えると涙があふれて止まらなかった。



私は指輪よりもなによりも縁さえいれば良かったのに。



それから一週間私は泣き続け、心を凍らせた。



私の心はあの雨の日から止まったまま。



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