GOLDEN WOLF〜ヤン暴君と最強honey〜


「テメー、いい加減にしろ!!公開処刑されてーのか!?」

「……ま、まだ、焼き鳥もおでんも食べ終わって――…」

「最後のチャンスだ。公開処刑されたくねーなら、さっさと帰るぞ?」



それはそれは、私にとって呪いの呪文みたいな言葉でして……。



殺人鬼の目つき。



煌月の背後には、魔王がはっきりと見えており……。



さすがにヤバいと悟った私は、仁王立ちしている煌月に駆け寄る。



……あーあ、テーブルに置かれている美味しそうな料理。



全て食べたかった。



私は悲しげな目で、それらを見つめる。



「オイ、行くぞ」



煌月は私の腕を掴み、強引に私を連れて行く。



店を出る際、



「茉麗ちゃん、またおいで」



と、篤さんの優しい言葉を聞いて、こんな状況なのにも拘わらず、私の口元が少し緩んだ。



< 232 / 370 >

この作品をシェア

pagetop