手紙でXXXして。

ひざまくら

すると、偶然にも実の膝の上に頭がのっかる状態になり、あたしは実にひざ枕されるかたちになった。

「ごめん!」

あたしは慌てて、起き上がろうと体に力をいれる。

だが、力が入らず、実の膝の上にねそべったままだ。


「やー僕は構わないけど、むしろ役得」


彼が体を揺らして笑うと、あたしの体も少し揺れる。


耳に、首に、頭にじわじわと実の熱を感じて、体があたたまっていく。



人にこれだけ触れたのは久しぶりだな、とあたしはぼんやりと白い壁を眺めた。


しばらくそうやって彼の熱で暖をとっていると、彼は先程言いかけたことをさらりと述べた。


「僕もねチハルさん。あの事故に巻き込まれたんだ」

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