エンジェルティアーズ

戸惑い

「ねぇ。」


「うん?」


二人はベッドの上に力が抜け落ちたかのように横たわっていた。


修の腕の中にいる、咲は細く華奢で力を入れたら壊れてしまいそうだ。


「なんでもない。」


「なに?いってごらん」


修は咲の頬に手を当てた。

愛しそうに優しく見つめていた。


修は本当は目の前の咲が消えてしまうのを恐れていた。


「こんなこと初めてなんだけど。離れたくないの。」


修は瞬間的に抱きしめていた。


「あぁ。俺も離したくない。」


ずっとこのまま居てくれ。
そう言いそうになり、修は口をつぐんだ。


そう言って彼女を苦しめる事にならないかと。
あまりに彼女を知らなさすぎる。


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