【第二部】鬼に愛された女


「しばらく屋敷にはいられないわね」


男が身につける直衣を私は気にせず身につける


京助おじ様が陰陽術を習うなら、

動きやすい服装がいいとおっしゃ

って、私はこうして直衣をきてい

るのです


「よし。逃げるか」


世の中物騒だから、一応札と短刀を隠し持ってから、庭にでる


「……せーのっ!」


私は勢いよく跳ね上がり、庭に生えている桜の木に登った


今は桜の時期じゃないから咲いて

はいないけど、とても綺麗な桜の

花を見せてくれるの




< 2 / 287 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop