ストーカー
ピリリ! ピリリ!

携帯電話が鳴る。

私は電車の中で、携帯を取り出す。


『姫野か?』

五十嵐の声が耳に響く。

「どうしたんですか?」

周りの人をしり目に、小声で話した。


『気を付け……はん…に…は…じゃ……い』


「え? 何? 聞こえない」


プー。プー。プー。


電話が切れた。


私の脳裏に不安が横切る。

間もなく、電車はトンネルに突入した。
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