黒騎姫―Princess of black knight

第一章 Ⅳ


 しばらくしてオルトロスの洞窟まで戻ってきた。

 魔犬はレジスタンスに倒され、すでに絶命している。

 レジスタンスたちは怪我人はいるものの、死者はいないようだ。

 戦勝ムードで盛り上がっても不思議ではないのに、なぜか、みんなの表情は浮かない。

 戸惑っているようにも見える。

 どうしたのかな?

 洞窟のすぐ前では、アルバードとチャザが向かい合っていて、なにやら話し合っているようだ。

「どうしました?」

 あたしは二人へ尋ねた。

 アルバードがあたしを笑顔で迎えてくれた。

「黒騎姫、無事だったか。……オルトロスは?」
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