僕は
第24章
     24
 その年もイブを迎えた。


 円形のケーキを一個買い、江美のマンションへと向かう。


 さすがに行く前に一度自宅マンションに戻って入浴し、汗や脂を洗い流した。


 歩きながら考え続ける。


 彼女が今どうしてるかを。


 今日は事務所自体休みなので、おそらく部屋でゆっくりしているだろう。


 多分高階から読むように言われた商法の専門書や関係資料などに目を通していると思う。


 食事は多分作ってない。


 ピザなどを取るものと思われた。


 新宿から電車に乗り、六本木駅で降りて歩き続ける。


 外は冷えていた。


 だけど雪が降る様子はない。


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