僕は
第29章
     29
 日弁連の新年会が開かれるのは一月中頃である。


 それまでは事務所の仲間内で、新年会を兼ねた飲み会が続く。


 僕も極力参加していたのだが、さすがに限界があった。


 連日新年会が続くと、胃腸に悪い。


 食べ過ぎや飲み過ぎなど、何かと体調を壊しやすいからだ。


 合間に休む時間が出来れば、なるだけゆっくりしていた。


 すでに事務所は開所されていて、皆クライアントと話をしたり、新たな弁護の依頼などを引き受けたりしている。


 さすがにずっと業務が続くから、昼間は定食屋などに行き、夜は出前のラーメンやうどん、蕎麦などを食べていた。


 業務の合間に江美とお茶を飲んだりする。


 彼女は生粋の東京っ子なので、すぐに六本木や南青山、麻布十番など、普段僕が行かないところに行こうと言う。


 ケーキなどのスイーツやコーヒー、紅茶などは美味しいのだが、高く付く。
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