僕は
第47章
     47
 数日が経ち、三月も中旬になると、温かさが増してくる。


 室内に掛けているエアコンの温度を若干下げてもいいぐらいだった。


 江美が取ってくれているファンガルー島の観光地の様子は、すでに分かっている。


 赤道から少し南側にある常夏の島だった。


 年中気温が高い。


 僕たちは島へとフライトするため、半袖の衣類やパスポート、ビザなどを用意し、成田から航空機で飛び立った。


 六時間洋上を飛べば、島へと辿り着く。


 疲れていた体を休めるときだ。


 絶好の癒しとなるだろうし。


 何せ春先の日本を飛び立って、常夏の島へと行くのである。


 ゆっくりする時間を確保できてよかった。


 僕も木崎朱莉の弁護を引き受けて須山と共に無罪を勝ち取ったのだし、新宿でのビル放
< 311 / 359 >

この作品をシェア

pagetop