僕は
第48章
     48
 ホテルターゴラルランドの八階にある八〇七号室に行って窓を開け放つと、部屋からは綺麗な夜景が見えた。


 持ってきていたスマホに付いているカメラで次々に写真を撮る。


 互いにゆっくりと息をついていた。


 さすがに長旅が終わってからで、疲れは隠せない。


 日本での業務のことは忘れていた。


 せっかくの旅行だ。


 部屋に着いてから、互いに半袖シャツに着替えを済ませ、寛いでいた。


 いつもはずっと弁護に関する書類やパソコン上にある電子資料などと睨めっこだが、旅行に来た間は忘れられる。


 江美も夜景に目を奪われているようだった。


 いったんスマホを置いてから、撮っていた写真を見て、要らないと思った分は消していく。


 ずっと写真を見続けていた。
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