僕は
た。


「江美」


「何?」


「君は何で弁護士になって、商法を専門にしてるの?」


「うーん、言いにくいんだけど、単に困ってる人や会社なんかを見過ごせないと思ったからかな?」


「それは高階先生から受けた薫陶(くんとう)?」


「ええ、そうね。あの先生には正直頭が上がらないわ。ちゃんとした方だし、十分尊敬できるわよ」


 そこまで聞いてふっと振り向き、


「君にはその手の才能が十分あるよ。俺が保障する」


 と言って、ちょうど江美のマンション前まで来たので、


「じゃあまた明日ね。お休みなさい」


 と言葉を重ねた。
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