双華姫~王の寵姫~
那智がどれだけ待っても父は返事をしくれない。




まるで困ったように那智を見ている。




「父上・・・・教えて下さい」





後宮で・・・朝廷で生きて行く覚悟を那智はやっと持てたと言うのに、父の言葉が信じられなかった。




「那智は・・・喜ぶかと思った」





後宮に嫁ぐのを嫌がっていた末姫。




宴であった時は・・・人形のようになっていた・・・末の姫。





戻らないで良いと言えば喜ぶだろうと思っていたのに・・・那智の反応は父にとっても信じられないものだった。




必死に聞いてくる那智に、なんと言えば良いのか分からない。
< 157 / 207 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop