Blood Smell
警告と復讐
夕食のあと
学園長と愛子さん
そして先生と私はリビングで今日の出来事について話し合った



大理石と金で出来ていて素晴らしい彫刻の彫られたテーブルには

アンティークのティーセットが一式


私の前にだけ紅茶の入ったカップが置かれていた



「しかし…どうしてこんなことが起こってしまったのか?」


学園長は腕を組み直して
先生を見た

「わからない。
とにかく、昼間に突然襲われた。」


愛子さんがチラリと私を見る


明らかに私を気遣ってくれている


私は静かにうなずいた


「昼間なんて…人目のある時間帯に、どうして危険をおかしてまで襲ってきたのかしら?」


「…襲ってきたライカンはまだ、若かった。若い雄。
戦いは避けたかったが…
ヤらなければ冴に危険が及んでいた。」



先生はそっと
でも力強く私の腰を引き寄せた

冷たい感覚に思わず鳥肌が立つ


「でも、私たちには協定があるはずよ。」



「協定!?」


愛子さんの言葉に顔をあげると

先生が説明してくれた


「昔から
ヴァンパイアとライカンは対立していて争いを繰り返していたんだ。

それは年々、残酷に残虐になっていって…
それぞれの種族を滅ぼす勢いだった。

…およそ300年前一族の長達は全滅を恐れて協定を結ぶ。それが“共存共栄”。」
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