Blood Smell
真っ暗だった

真っ暗なのに
なぜか
目の前に何が居るのかわかった


狼!

土気色した巨大な狼


「…斎藤君。」


その狼を見た時
一目でわかった


そう
彼は今問題の中心にいる人物



すると
力なく弱った声が
頭に響いた

『中野さん。
体は大丈夫?』


「え?」

『俺のせいで
辛い目にあわせてごめん。』


「なんで知ってるの?」


『実は
あの時遠くから中野さんとヴァンパイアを
感知してたんだ。』


「そう…。」


『俺…そろそろ
決着をつけようと思う。』


え?!

『逃げ回るのも限界だし。
このままじゃ…
他の人たちの大切な人も
巻き込んじゃう。

それは…絶対に避けたいんだ。』



狼の瞳が
力強く輝いた


「でも
それじゃあ…」


思っていても
その先は口に出せなかった


終わらせるとはどういう意味なのか…


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