青春途上中〈4〉
松橋だって、あんなボロボロになってまで殴られたのに助けも呼ばなかった。

俺達から、スルスルとすり抜ける。

「膨れっ面も久々だな」

煙草に火を点けながら唇の端を歪ませた。

「腹の虫が治まらない。
シノは平気なの?」

「お前が怒ってるからな」

祥太は、急に目を伏せる。

「でも、…………俺も伊崎と同じ事してしまうかもと思った」





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