人心は、木漏れ日に似る
沖下先生は、すがるように自分を見上げているほのみに向かって、微笑んで見せる。


「私は星園の沖下です。

あなた、学校と名前は?」


ほのみは音楽の一時停止を解いたように、早口に答える。


「藍学の荘田ほのみです。

江上さん、まだ帰ってないんでしょ?
もう暗くなるし、危ないし、もしけがとかしてたら」


ほのみがそうまくし立てると、沖下先生はじっとほのみを見て頷いた。


「荘田さんは、心配なんだね。
江上さんのことが」


ほのみはすっと口を閉じると、こくりと頷いた。



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