ただ今、政略結婚中!
「……そんなの望んでいない。隼人さんだって私を犯したでしょう?彼は胸に触れただけ。罪は隼人さんの方が重い」


「俺たちは結婚している」


考えていると、隼人さんが口を開いた。


「でもっ!気持ちは彼女にあるんでしょう!?」


淡々とした言葉に、つい声を荒げてしまう。


「俺の気持ちがどこにあるのか知りたいのか?」


「知りたくないっ」


怒りにまかせて顔を横に背けると、顎に長い指がかかった。


「!?」


隼人さんは自分の方に私の顔を向けさせると、唇を重ねた。


「んっ……ゃ……」


抵抗しようとしても出来るわけがない。


隼人さんの巧みなキスは、私の身体を疼かせてやまない。


あの男とは比べ物にならないくらいの甘いキスに、全身の力が抜けていくようだった。


何も考えられないほどのキスはいきなり止められた。


「知りたくないのならそれでいい……」



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