ただ今、政略結婚中!

募る不安

リビングルームが占領されているから、私は隣のベッドルームへ足を向けた。


部屋の中に入ると、思わず絶句してしまう。


ベッドが一つ……。


ちょっと、待ってよ。


もうひとつベッドルームがあるのではないかと、あらゆるドアを開けて確かめる。


いずれもベッドルームにつながらず、私はリビングルームのまだ開けていないドアを思い出してベッドルームを出た。


ミーティング中の彼らの側を通り、目的のドアを開ける。


開けてがっかり、シューズボックスだった。


隣にセキュリティボックスがある。


シューズボックスが、なんでこんなに大きいのよ!


ドアを閉めてリビングに戻ると、再び彼らの横を通り過ぎようとした。


「悪あがきはやめるんだな」


私にしか意味が分からない言葉。


「な!お仕事に集中してください!」


地団駄を踏みたいところを我慢して、寝室に戻った私だった。


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