ただ今、政略結婚中!
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最上階に近い部屋は、広くて眺めが良いはずなのに、景色を見る余裕などなくベッドの上に押し倒される。


ぎゅうっと私を抱きしめ、隼人さんは一息吐く。


「亜希、お前が欲しい。気遣ってやれないかもしれない。今の俺は本当に余裕がないんだ」


すぐ近くに端整な隼人さんの顔があって、真剣そのものの顔で言われる。


「隼人さん……」


余裕って……私と……。


ようやくわかって、嬉しくもあるし、隼人さんが可愛く思えてしまう。


カンクンでの甘い時間が脳裏をかすめ、身体の中がジンとしびれてくる。


「隼人さん……私も待てない……早く愛して欲しい……」


無意識に出た言葉だった。


途端に、恥ずかしくなって頭を浮かすと、隼人さんの首に顔を寄せた。


隼人さんはこめかみ、閉じた瞼、熱を帯びる頬に優しいキスを降らせていく。


そして、唇を食むようにキスされ、舌が口腔内に入り込んでくる。


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