ただ今、政略結婚中!
「麗香っ!……そんなに変だった?」


「それはもう、蕩けそうなくらいな顔でヤバかった。まったく幸せそうでごちそう様」


麗香が笑いながら言う。


私は照れ隠しに氷が解けてしまったオレンジジュースを一口飲む。


コーヒーを頼んだ麗香は、ウェイトレスが去っていくと口を開いた。


「電話では詳しく聞けなかったけれど、こまか~い所まで話すこと いいわね?」


隼人さんが日本に来て紫藤家に戻ったことは、簡単に麗香に連絡していた。


「細かくって……1週間前、お料理教室の帰りに隼人さんが実家の前で待っていてくれて……」


「うん、うん」


麗香はにこにこと頬杖をついて聞いている。


「エステルの自叙伝は出版されないって――」


エステルがたくさんの男性と関係を持っていたことを簡単に話した。


力を尽くしてくれた麗香だから言うけれど、エステルの男性関係がどこかに洩れたら大変なことになってしまうから簡単になってしまう。


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