ただ今、政略結婚中!

愛人発覚

「寝室にブラジャーが落ちていました。それって、彼女がいるってことでしょう?」


隼人さんの抑える腕の力が失われ、その隙に起き上がる。


「健康な男ならそれなりにいてもおかしくないだろう?」


「じゃあ、どうしてその方と結婚しなかったんですか?」


問い詰めるつもりじゃなかったけれど、やっぱり私たちの結婚はおかしいと思って言っていた。


「……彼女は結婚にむいていないからだ」


やっぱりいたんだ……。


その事実になぜか胸が締め付けられるように痛んだ。


私……隼人さんに惹かれているの?


ううん、私の理想は優しい人。


隼人さんは意地悪で俺様。


そんな人に惹かれるわけがない。


「……離婚してください」


「離婚?」


隼人さんは芯の強そうな片方の眉を上げ、私を色素の薄いガラスのような瞳で見つめる。


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