ただ今、政略結婚中!
ソファに座り何度目かのため息を吐き窓の外を見ると、緑が目に飛び込んできた。


公園……。


親子連れが歩いているし、池も見える。


安全そうに見える。


あそこでゆっくり考えようか……。


この部屋にいたら隼人さんが書斎から出てくるんじゃないかとずっと気になって考え事も出来ない。


バッグからスケジュール帳のメモを一枚破り、「公園へ行ってきます」と書いてリビングのテーブルの上に置いた。


そこにはまだ私が置いた指輪が二つ、そのままだった。


玄関を出ると、足早にエレベーターホールに向かったのだった。


なんとか窓から見た公園を見つけて、池の近くのベンチに腰かけた。



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