きみとぼくの、失われた時間


微苦笑を漏らす彼は近々奢ってやるから、内容でも考えておけと降参ポーズを取った。


ただし高いものは奢ってやらない。


二千円以内だと条件をつけてきた。

ケチくさいと毒づく島津だが、表情は笑顔そのもの。



「僕との約束も忘れないでよね」



永戸の念押しにハイハイと頷く彼は、それもしっかり憶えていると頷いて見せた。


スッカリ蚊帳の外にいる担任はキョトン顔で尋ねる。



三人はどういう関係なのだ? と。



すると彼は満面の笑顔で答えた。




「15年前、15年越しの同級生。俺の大切な友達だよ」







坂本健が失踪した1ヵ月間の空白は、1996年の時の中に消えたようで、2011年の消えない未来への旅路に続いている。



END
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