カナリア鳴く空
時間は、11時を回っていた。

誠司さん、お仕事終わったかな?

そう思いながら、彼に電話をかけた。

機械音が何回も続く。

「何だ、まだお仕事か…」

機械音が鳴り続けている電話を途中で止めた。

パタンと、ベッドに倒れる。

「――それとももう、寝ちゃったのかな?」

そう思ったとたん、躰がうずいた。

誠司さんに何度も抱かれた躰が、誠司さんを欲しがってる。

誠司さんに何度も抱かれた躰が、誠司さんを求めてる。
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