カナリア鳴く空
突然叫んでそんなことを言った朝香に、私は訳がわからなかった。

何が?

何があったの?

わからなくて、戸惑う。

戸惑っている私に、
「ヤだー、忘れたの?

自分の誕生日のくせに!」

朝香がゲラゲラと私を指差して笑い出した。

誕生日って、誰の?

あっ…と、私は気づいた。

そう言えば、今日は私の誕生日だった。

自分のことなのにすっかり忘れていたことに、反省する。

何やってんだよ、本当に。

心の中で毒づいた。
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