カナリア鳴く空
「えっ…ちょっ…。

君塚さん…?」

今にも泣きそうな顔で、優衣が私を見た。

「仕事の…仕事の人かも、知れないじゃない?」

無理しているのは、自分でもよくわかった。

でも、信じたくないと言って拒否している私もいる。

だから、言い聞かせた。

今一緒にいたのは、仕事の関係者だと。

無理している自分に、そう言い聞かせた。


聖母マリアに誓ったことは、呆気なく崩れた。

自分の気持ちに1番気づいていたのは、私でもなく、朝香でもない。

そう、優衣だった。
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