カナリア鳴く空
寒さを感じて目覚めると、隣には優衣。

――ああ、本当に結ばれた

彼女の寝顔を見ながら、私は思った。

時計を見ると、朝の5時だった。

朝香は、まだ帰ってきていない。

彼女の存在を忘れ、優衣と求めあった昨日の夜。

優衣が自分の気持ちを伝えてくれたことが嬉しくて。

優衣と一緒の気持ちだったことが嬉しくて。

優衣が私を求めてくれたことが嬉しくて。

とにかく、彼女を求めた。

父娘の関係を忘れて。

もう、父娘じゃない。

恋人でいていい。

「――優衣…」

私は、まだ眠っている優衣の唇にキスをした。
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