レッスン ~甘い恋の手ほどき~
初めて、彼について会議の手伝いをすることになった私。
今までの会社でも、本当に脇役の手伝いをしたことはあったけれど、「今日は大切な仕事を任せるから」なんて彼に言われて、少し緊張していた。
テーブルやいすの確認をして、会議室であらかじめ資料を配る。そして、本社の皆さんが来たら入れるはずのお茶もチェックして……。
「よし」
今の私ができる限りのことは一通り済ませた。
これでは足りないかもしれないけれど、一つずつ覚えていこう。
会議の15分ほど前になって、パソコンを立ち上げていると、別の用件で駆り出されていた彼が、遅れてやってきた。
「悪い。全部やらせちまったな」
「いえ。このくらい大丈夫……」
そう言って、立ち上がろうとしたとき、突然目の前が真っ白になる。
「片桐!」
そう、彼が私の名を呼んで、慌てて支えてくれたから、何とか倒れずに済んだ。酷い立ちくらみだ。こんな経験ないわけじゃないけれど、こんな風に倒れてしまうところまでいくことは、今までに一度もなかった。
「もう、帰れ。ここは一人で何とかなる」
私を抱きとめながら、すごく驚いた顔をしてそう言う彼の言葉に、私は首を振った。