Tricksters2ッ
「迷惑かけてごめんな、ユカリ。愛してる」
「……そんなのって」
ゼンはユカリさんを抱き寄せて、もう一度キスをする。
エロさとか、そんな野暮なこと問題じゃない。
そのキスは、本当に純粋に見事なキスだった。
「淳一、頼んだぞ」
ユカリさんは肩を押されて、俺の目の前に突き飛ばされた。
「善太郎! ダメよ!」
「確保だ!」
警官の一人が右手を振り上げた。男たちの緊張で空気がぴんと張り詰めた。