Tricksters2ッ
「生意気な口をきくな。オマエ、一人じゃ精々小銭を稼ぐことくらいしかできないだろ」
総理のSPが黒塗りの車のドアを開く。目立たないように最小限の付き人しか連れて来ていないらしい。
「はやく乗れ。マスコミに嗅ぎつけられたら厄介だ。今は官邸で、防衛大臣と会合していることになっている」
「父さん、コウヅキ不動産ホールディングスは黒です。不正どころか、うちの会社を妨害してきた」
「その話は後で聞く」
「いえ、今聞いてください。まだやり残したことがありますから」
「善太郎?」
「走るぞ、淳一!」
「え? わ、待って!」
警官の警棒を振り回して、SPをかき分けると道を作り走り出したゼン。
置いていかるないように、俺も全力疾走した。
SPが何人か追い掛けてくる。でも、手薄だからなのか、なんとか逃げ切れそうだ。