片想

「ひとを好きになる気持ちは…
誰にも止められないと思うの」

ぽつりとアタシは言う。

彼の表情が一瞬、
変わる。


それは。

まるで。


だけどその言葉は宮垣くんに届いたのか届かなかったのか。

彼は何も答えなかった。


ただ、
さっきの彼のせつなくやるせない瞳。


今までの攻撃的なものではなくて。

そんな瞳でアタシを見た。


まだ嘲笑われるほうがまし。




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