片想
「…さて、行こうか?」
そんな宮垣くんの言葉を無視してアタシはさっさと歩き出す。
お互い、
傘を差しててよかった。
隔たりができるから。
傘のおかげで個別に空間ができて距離を感じることができる。
「薬師さんは何線?」
平日だというのに。
雨だというのに。
もう21時も過ぎているというのに。
どうしてこんなにひとがいるんだろう。
場所柄、
会社が多いせいかスーツ姿のサラリーマンやアタシみたいなOLとか。