フルスロットルラブ

颯真に唇を奪われながら、

縛るの意味が違うでしょう?

なんて…霞む意識の端で思う。


縛られたままでは、

颯真を押し戻す事も、

抱き締める事も出来ないな…、

なんて思いながら。


颯真の燃えるような熱情が、ゆっくりと私を溶かして行く。


熱く欲情した瞳と目が合う度に、

手を伸ばして颯真を抱き締めたいと願うのに、

縛られて抱き締められない腕がもどかしくて、

切なさに胸が苦しくなる。


肌と肌を触れ合わせて、

こんなにも密着してるというのに。


手を伸ばせば掴めるものに、

届かないもどかしさに焦れて、

いつの間にか私の瞳からは涙が溢れていた。

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