I wanna be your only lover
fluctuation-揺らぎ
…そのあと、あたしは部室に戻った。
独りでアパートに戻りたくない。
…もう泣きたく、ない。
もう真夜中の3時過ぎだ。
部室にだってだれもいないだろうけれど…
そう思って部室のドアを開けようとして気づいた。
明かりがついてる。
ガチャリと音をたてて入ると、
『よっ』
いつもの軽快なあいさつ。
敦さんだった。
あたしは苦笑いで言う。
『ふられちゃいました〜』
敦さんも若干苦笑いで、
でもどこかほっとしたように『そっか』と呟いた。
この夜、あたしと敦さんは他愛もない話をして、
夜明けまで部室にいた。
独りじゃなかった、いや、
独りにさせないでいてくれた敦さんに、
ありがとう、
そう小さく心でつぶやいた。