- π PI -【BL】


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――


数時間後、俺たちは飛行機の中に居た。しかもファーストクラス!


普通に生きてりゃ俺なんて一生縁のないクラスだ。


周の性欲の餌食にされ、腰が痛い俺に座り心地のいいシートは楽だけど。



「それにしても円周率がロック解除なんて分かりに過ぎ」


俺は忌々しそうに手摺りに肘を突き、隣に座る周を睨み上げた。


「分からなかったらどーしてたんだよ」


「円周率?何を言ってる。あれは俺の誕生日だ」


「誕生日??」


俺は目を瞬いた。何だよ円周率じゃなかったのかよ。


って言うか誕生日、はじめて知ったぜ。


あんだけ“円周率”の周って言ってたから、てっきりそうかと思ってたけど。


「3月14日?ホワイトデーかよ。ま、覚えやすいっちゃ覚えやすいがな」




「ホワイトデーか。ふむ、




“恋の円周率3.14”いい響きじゃないか♪」





「ああ…はい」最早そう答えるほかない。


何だよ、そのロマンチックなフレーズは!って本当は突っ込みたかったけど、


体力と時間の無駄だ。


色んなことがありすぎて俺は疲れて眠い…


この心地良い香りの中―――眠りにつくのが


俺の幸せ―――……




だと思ってた。






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