『初恋』
-再会-
『俺は佐久。君は?』
小さいころに父親同士の仲でたまに会う子の子。
『唯。』
私は素っ気ない。お母さんが死んじゃったから。
人には優しくしても自分は報われないことを知ってる。
お母さんは人一倍お人よしで人一倍病弱だった。
私はそうはならない。
『へぇ。また会えるかな?』
『わかんない。』
『きっと会える時はまた遊ぼうね!』
『会えたらね』
会えないと思っていたから私はそう返した。
その返事が…10年後の今につながるなんて知らなかった。